紙の豆知識 Trivia of paper

もっと知ってほしい”紙”のこと。
「紙」のプロフェッショナルである宇野紙がみなさまにお伝えする紙の豆知識。
普段、馴染みの深い紙から、見るも触るも珍しい紙に至るまで、なるほど納得、はじめて聞いた...
そんな紙のあれこれをご紹介します。

  • 和紙篇

和紙の特長

和紙は洋紙に比べ繊維が長く、紙厚が薄くても耐久性や保存性に優れ、美しい風合いが特長である。品質は洋紙に比べ優れているが、生産性の低さから価格は高い。トータル的に見ると、薄く強靱で世界で最も優れた紙と言える。
世界各国の文化財修復や、大量に生産された江戸時代には、建具の他に着物や寝具にも使用されている。現在、なじみ深いところでは、紙幣の素材などに用いられている。また、天然の素材として、インテリア向けの需要も高まっており、その他に卒業証書をはじめ、様々な習い事のお免状用紙などは越前和紙の透かし入りの鳥の子、局紙、もしくは檀紙などが使用されている。

和紙の代表的な産地に「越前和紙(えちぜんわし)」「美濃紙(みのがみ)」「土佐和紙(とさわし)」があり、3大和紙産地と呼ばれている。

製紙技術の歴史は、中国「後漢」時代に蔡倫(さいりん)が改良したことから始まる。日本への伝来は、610年と言われており、ヨーロッパへの伝来と比較して500年以上も早い。また、513年五経博士が百済より渡来し、「漢字」「仏教」が普及しはじめ、写経が仏教普及の大きな役割をはたしていたことから、この頃すでに紙漉がいたのではないかと推測される。年代のわかるものとして現存する最古の和紙は、正倉院に残る美濃、筑前、豊前の戸籍用紙である。また、最古の写経である西本願寺蔵の「諸仏要集教」は、立派な写経料紙に書かれており西暦296年の銘記がある。
日本への伝来に遅れること、西域への伝来は約140年後の事で、製紙技術者が戦時捕虜となることで伝来した。当時、製紙法は中国とその周辺国家における国家機密であり、高句麗からの技術の伝達は信頼の証として伝承されたものである。紙の発明地と伝えられる中国や地続きの朝鮮半島と交流のあった日本には、そのような理由から比較的早い時期に伝来したと考えられる。